母が膝の上で話したこと──私がエドゥカーレをつくった理由

エドゥカーレという社名は、ラテン語の educere(引き出す)から取りました。

魅力は、つくるものではありません。すでにそこにあるのに、中にいる人だけが気づいていない。それを引き出して、伝わる形にする。私たちの仕事は、その一点に尽きます。

なぜそこにこだわるのか。短い話ではないのですが、よかったら読んでください。

母が、膝の上で話したこと

子どもの頃、母が私を膝に乗せて、こう話したことがあります。

本当はやりたかった仕事があったのだと。
そして、大事なときに、父はそばにいてくれなかったのだと。

二人を責める気持ちはありません。感謝しかない。

おかしいのは、二人ではなかった。「暮らしか、仕事か」。どちらかを諦めないと、まっとうに働けない。その仕組みのほうが、当たり前の顔をして立っていました。

キジを追いかけた野原は、もうありません

茨城の田舎で育ちました。友達とキジを追いかけて遊んだ野原がありました。

ニュータウンの開発で、そこは商業施設と宅地になりました。

便利にはなりました。ただ、キジの家族が暮らせる場所は、もうありません。あの風景も、そこで過ごした時間も、二度と戻ってきません。

誰かが悪意を持ってやったわけではない。ひとつひとつは、まっとうな判断だったはずです。それでも、替えのきかないものが消えました。

働く現場で見たこと

社会に出てからも、同じ形のものを見ました。

投資が入り、急な成長と結果を求められる。そのなかで、心を病む人、体を壊す人、家庭を失う人がいました。

人の幸せを差し出してでも、成長する。それが特別なことではなく、普通のこととして行われていました。

だから、これを根絶したい

替えのきかないものが、経済のために犠牲にされる。その不幸を、根絶する。

これが、私が会社をやっている理由のすべてです。

経済が悪いのではありません。開発も成長も、否定しません。許せないのは、手段であるはずの経済のために、目的であるはずの大切なものが差し出される、その本末転倒です。

替えのきかないものは、人だけではありません。一人ひとりの暮らしも、仕事という自己実現の場も、その土地らしさも。私たちは、それを奪わない。見つけて、引き出して、伝えて、守る。

そういう会社が、ちゃんと選ばれる社会にしたい

2015年、これからの生き方を探していたときに、ある中小企業に出会いました。

次の世代まで見据えて、地域に雇用を生み、風景を守り、そこにある暮らしを支えている会社でした。

こういう会社こそ選ばれるべきだ、と思いました。

けれど現実には、いい会社ほど、自分のことを語るのが下手です。語る時間も、余力もない。だから埋もれてしまう。

ならば、そこは私がやろう。そう決めました。

引き出す。つながる。豊かになる。

これが、私たちのミッションです。

聴く力を土台にしたマーケティング支援を通して、お客様の成果に貢献し、ともに働く仲間の幸せを追い、地域社会の繁栄に寄与する。関わる人すべての幸せを実現すること。それを目的にしています。

手段は、これからも変わっていくと思います。目的は、変わりません。

その実践として、経営者の隣で会社の魅力を言葉にし、発信をご一緒する「カンパニーエディター」という仕事をしています。すでにあるものを、見える場所に出す。やっていることは、それだけです。

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