上手な文章より、届く文章を。——「伝わる」ために必要な3つのこと

こんにちは、エドゥカーレの小松崎です。

「SNSやnoteで発信したいけど、何をどう書けばいいか分からない」

「メールや報告書を書くとき、伝えたいことが多すぎて文章がまとまらない」

地域の中小企業の方々と一緒に仕事をしていると、前者の声をよく聞きます。若手の方々からは、後者の悩みをよく相談されます。

場面は違いますが、根っこは同じ悩みです。そして解決策も、実は同じところにあります。

今回の記事では、ファンづくりのための発信に取り組む事業者の方にも、仕事での文章に悩む若手の方にも共通して使える、「伝わる文章」の基本をお伝えします。

特別なセンスは、要りません。

伝わる文章は、「書く前」に決まる——まず相手の話を聴く

文章がうまく書けないとき、多くの方がすぐ「どう書くか」を考え始めます。しかし伝わる文章は、書く前の段階でほぼ決まっています。

それは、相手のことを聴くことから始まるからです。

事業者の方であれば、自社のお客様はどんな言葉を使っているか。どんな悩みを持っているか。何を知ったら「行ってみたい」と思うか。

若手の方であれば、上司や取引先が何を判断しなければならない立場にいるか。その人が「助かった」と感じる情報は何か。

この問いを持たずに書き始めると、どれだけ時間をかけても「自分が言いたいことを並べた文章」になってしまいます。私自身、編集の仕事を始めたばかりの頃はずっとそうでした。独りよがりな文章を量産していたんです。

伝わる文章の出発点は、相手を理解しようとする「聴く姿勢」にあります。

良い文章とは、”うまい言葉”ではなく、シンプルな構造

相手のことを理解した上で、次に意識してほしいのが文章全体をシンプルに保つことです。

良い文章というと、短い言葉で相手を「おっ」とさせるものだと思う方もいます。しかし実際には、一文が短く、情報量が詰め込まれていない、全体としてシンプルにまとまった文章の方が「読みやすい」と感じてもらえます。

一文の目安は25〜30文字。主語と述語は近くに置く。修飾語は必要最小限に。

たとえば、こんな文章を見てみましょう。

「このTシャツは栽培から藍染職人がやり始めて、シワも付きにくくて洗濯がしやすくて、職人が徳島にいて、それで作られている」

情報はたくさんあるのに、何も頭に残りません。一方、

「このTシャツは、徳島の藍染職人が栽培から手がけています」

これだけで、職人のこだわりと商品の背景が伝わります。

サッカーで言えば、フェイントだけ上手くて走れない選手より、走力と体力の基本がしっかりした選手の方が試合で使えます。文章も同じです。一部が突出しているより、全体がシンプルに整っている方が、読む人の頭にすっと入っていく。

“削る勇気”——自分にしか語れない情報を選び取る

シンプルにするためには、情報を削らなければなりません。しかし支援先の企業の方からも、発信を始めたばかりの若手の方からも「どこを削ればいいか分からない」という相談を最もよく受けます。

そのときに使える視点が、「自分にしか語れない情報かどうか」という問いです。

たとえば、こんな話があります。

地元で長年続く定食屋の大将が「うちのだしは、毎朝4時から3種類の素材を組み合わせて取る」と教えてくれました。しかしお店のSNSには「本格和食、地元食材使用」とだけ書かれていた。

「毎朝4時に起きてだしを取る」という事実こそが、読んだ人の記憶に残る情報です。「本格和食」は誰でも書ける言葉ですが、「毎朝4時のだし」はその大将にしか語れません。

若手の方も同じです。「先月、○○の案件でこういう失敗をして、こう立て直した」という一文は、あなたにしか書けない。それが報告書を読む上司にとって、最も参考になる情報になることがあります。

珍しい経験を探す必要はありません。たくさんある情報の中から、書く自分だからこそ伝えられる視点を選び取る。それが「削る勇気」の正体です。

迷ったら「型」を使う——どちらのターゲットにも共通する骨格

書く内容が整理できたら、あとは型に当てはめるだけです。

発信文章(note・SNS)の型は、この流れが基本です。

  1. 主張——何が言いたいか
  2. 理由——なぜそう言えるか
  3. エピソード——具体的な場面・体験
  4. ワンメッセージ——読んだ人に残したい一言

ビジネス文書(メール・報告書)の型はこちらです。

  1. 目的——何のために書くか
  2. 要件——相手に判断・共有してほしいこと
  3. 依頼——読んだ後にしてほしい行動

書く前にマインドマップで項目を可視化しておくと、「何を書いたか」「何が足りないか」が一目でわかります。型があれば、誰が書いても一定の品質が保てます。発信が続く仕組みをつくる上でも、型は非常に有効です。

おわりに

伝わる文章に、特別な才能は要りません。

まず相手の言葉を聴くこと。目的とゴールを決めること。自分にしか語れない情報を選び取ること。そしてシンプルな型に収めること。

この積み重ねが、読んだ人の記憶に残る文章をつくっていきます。

最初から完璧を目指さなくていい。「誰に、何を、何のために届けるか」を整理するところから、一緒に始めましょう。

エドゥカーレでは、地域の中小企業が自社の魅力を自分たちの言葉で発信できるよう、カンパニーエディターとして伴走しています。企業の声を丁寧に聴き取り、言葉を整え、発信の仕組みをともにつくる。それがわたしたちの仕事です。

「書くことが苦手」「何から始めればいいか分からない」という段階から、ご相談いただけます。他の記事もぜひご覧ください。

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