- どんな会社にも、まだ描かれていない物語があります。 創業の日の気持ち。続けてきた理由。苦しい時期に支えになった出来事。 忙しい日々の中で置き去りにされがちですが、そこにこそ会社の芯があります。
- カンパニーエディターの仕事は、会社の活動を整えることではなく、会社の歩みを物語として編み直すこと。その先にいる人たちとの関係を育てることです。
- 今日の仕事も、会社の物語の一部。この連載では、会社の活動を物語にしている現場での思考や方法論をお届けします。
信頼を貯める。つながりを育むために
はじめに少し大きな話をします。
昭和は物の時代でした。
便利さや物の量が「価値」となりました。
平成は事柄の時代でした。
仕組みや効率が重視されました。
いかに効率的であるかが価値になりました。
そして令和は、心の時代と言われています。
質の高い物でも、仕組みでもなく、人の心にある豊かさ。
思いやり、信頼関係、人やコミュニティとの「つながり」。
そこにいちばん大きな価値を、若者は感じ始めています。
シェアリングエコノミーを推進している第一人者である『シェアライフ』の著者である石山アンジュさんも、その著書の中で、「つながりがお金や社会的ステータスのようなこれまで個人の資産とされてきた資本と同じ価値を持つ時代が来た」と述べています。
では、どうやって私たちはつながりを育めばいいのでしょうか?

そのために会社の物語を編むのです。
会社で起こる日々のちいさな仕事、ちいさな出来事、その奥にある「人の心」「人の想い」を分かち合うことです。
- 無駄を出さない工夫。
- お客さんへのさりげない気づかい。
- 社員を思って口にした一言。
- 誰にも気づかれない小さな努力。
こういう一コマに、会社の美意識や価値観があります。会社の「らしさ」が宿ります。
これらが小さな出来事の分かち合いが積み重なって、物語になっていくんですね。
物語が編まれていれば、「応援したくなる理由」も自ずと積み重なっていきます。
それが、会社がブランドとして立ち上がっていく最初の一歩です。
小さな光を見つけて、ていねいに拾い上げること。
その物語をとぎれさせず続けていこうとする姿勢そのものが、会社の信頼を育んでいる。そんなふうに編集の現場で実感しています。
あなたの普段の仕事や出来事の中に、どんな思いやりや、工夫や、美意識が込められているでしょうか。




