- Sustainability Report -

サントリーは、日本が「環境問題」に目を向け始めた当初から、経営の軸の一つとして環境活動に取り組んできました。

そのシンボルとなってきたのは、「鳥」と「森」。

サントリーはなぜ、50年以上前から鳥を愛して活動してきたのでしょうか。

サントリーの「天然水の森」の活動には、どんな想いや技術が注がれているのでしょうか。その秘密をひもといていきます。

- Implications from case studies -
ネイチャーポジティブの実践

サントリーが50年以上森作りや愛鳥活動に甚大な力を注ぎ続けているのは、これらの活動を「基幹事業」と位置づけているからだといいます。

そしてこの視点は今後、世界的に重要になると考えられているのです。

今、世界中がネイチャーポジティブに舵を切り始めています。正直、自然環境のための取り組みをしていない企業は世界から取り残されるというリスクもあるんです。その点で、サントリーは日本の企業としてはかなり先を走っていると自負しています。

「ネイチャーポジティブ」とは、現在の自然環境を「維持する」だけではなく、「回復させる」ことを目指す概念。

これまで、経済活動の多くは、裏側では自然に負担を与えてきました。その負担をゼロにするだけでなく、ゼロからプラスへと転じていく必要があるのです。

しかしその実現のためには、従来から行われてきた公共事業やボランティア活動だけでは力不足。

自然環境への取り組みをビジネスとして成り立たせ、自然保護に携わる人材を育てる企業の取り組みが不可欠だと考えられるのです。

現代の世界が進むべき方向を、50年以上前から見据えていたサントリー。

これからの50年も、豊かな自然環境を取り戻すため、日本全体を牽引してくれることを期待せずにはいられません。

サントリーの環境活動は私たちの暮らしと未来にさまざまな影響を生み出しており、企業の持つ力が世界を変える可能性に満ちていると実感させてくれるものなのです。

- ​Editor's perspective -
サントリーに求められる取り組みとは

ネイチャーポジティブとは、「維持する」だけではなく、「回復させる」ことを目指す概念だとすると、サントリーの取り組みは今後どういった視点が必要になってくるのでしょうか。

それはたとえば、「よい水にはよい森が必要で、そのバロメーターとなっているのは鳥」という理は未来永劫変わるものではないし、ネイチャーポジティブを実践していくうえでも核となるもの。

一方、「よい森」だけを切り取ってみても、「森を育てて」、「その資源を使い切る」という循環が起きています。

サントリーのおもな現在地は、「よい森を育てる」という循環の片側の話に注力しているため、スノーピークとの「山の向こう」プロジェクトのような、環境資本を生かしていく取り組みが重要になってきます。

「育てた森」の資源をどうしたら適切に使い切れるのか。

それに関わる事業体の人々の課題や生活をどうしたら守り、回復させられるのか。

このような観点までサントリーが主導する範囲に入ってくると、新たなビジネスや他業態との協業が産まれてくるのではないでしょうか。

 

■参考・出典 

サントリー環境活動はこちらをぜひご覧ください。

text / yoko wakayama
edit / takuro komatsuzaki 

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